毒母育ちの私が家族のしがらみを棄てたあと

母に結婚生活を奪われても、文句ひとつ言わず母の面倒を見ることが自分に課せられた生まれてきた意味、と信じ人生すべてあきらめて生きてきました。自分の人生、自分のために生きてよかったのだと気づいてからの日々を綴っています。

一条ゆかりのエッセイに思うこと

書店をぶらついていたら、一条ゆかりさんの名前を思わぬところで見つけました。

インパクトのあるタイトルに思わず手が伸びました。

『不倫、それは峠の茶屋に似ている』

 

一条ゆかりと言えば、私がマンガを読み始めた頃にはもう、第一線で活躍されていた漫画家さんです。

こいきな奴ら」とか「有閑俱楽部」のようなコミカルなものと「砂の城」「デザイナー」「プライド」みたいな女のドロドロした心情を描いたシリアスもの、どれも面白くて夢中になって読んでいました。

 

見つけたエッセイをパラパラ読んで知りましたが、漫画家は卒業されたそうです。

そういえばいつの間にか、コミック棚で一条作品を見なくなっていたことに思い至りました。

 

エッセイの中にちょこっとだけ、「その後の有閑俱楽部」なんてマンガがありました。たった6pなのにすごい充足感。しかも絵が全然変わっていない。相変わらず美しい。

 

こういうことを言うのは失礼だと思うのですが、50年前に第一線で活躍されていた方で今も現役で書いている漫画家さんの中には、素人目にも絵がずいぶん下手になっていて残念な方もいるので、一条ゆかりさんの変わらぬクオリティの高さにうれしくなりました。

 

中身は、金言集で確かになるほど真理だと思えることばかり。秀逸な言葉がコメントとともに収録されているのですが、正直私にはポジティブ過ぎました。

「人生や仕事のパートナーをどう選ぶかで、生きる幅が広くもなるし、狭くもなる」

じゃあ、選んだ人を取りあげられた人はどうすればよかったんだろう。

選択の余地がないと思い込まされてたら、人生狭くなるの当然だということか。

と、どのページ読んでも、ネガティブな感情が湧き出てしまいました。

 

人生、自分で自由に道を選べて成功した人は、やっぱりポジティブ思考なのだと再認識。

いいこと書いてあるけれど、共感はできないことに気づいてしまいました。

それでも一条ゆかりさんのポジティブ思考に惹かれます。

 

今日は久しぶりに『こいきな奴ら』か『有閑俱楽部』を読んで過ごそうと思います。