離婚を体験した男性のインタビューを読んでいたら、男性は離婚に対して二通りのとらえ方があるそうな。
ひとつは結婚に幻滅するタイプ。自分が結婚生活に向いていないと感じるらしい。
もう一つは、相手に幻滅するタイプ。こちらは自分の結婚相手が外れであったと感じて、すぐ新しい相手を探すタイプらしい。自分に非はなくたまたまひどい女に捕まったと思うらしい。
私の夫は間違いなく後者だった。
私は確かにひどい妻だった。妻としてやるべきことすべて、何一つしなかったのだから。
彼が見ていたのは、母に支配されていた私。
母と夫の一挙手一投足に怯え、母に怒られないように、息をひそめて二人に遠慮していた私。
付き合っていた頃、彼は私をどんなふうに見ていたのだろう。
結婚したとたんに変わってしまった私をどう感じていたのだろう。
一度でも「なぜだ」と聞くなり、不満を口にするなりしてくれていれば、少しは事情を話すこともできたのに、まともに会話もせず心にしまっていたのだろう。
「そんな女だと思わなかった」
ずっと私にマイナス点を付け続けていたのかもしれない。
私はそんなことに全く気付かず、
「いつか時間に余裕ができたら私を妻として扱ってくれる」と信じて、ずっと待っていた。
「一度でも二人で話し合えばきっとわかってくれる」と信じていた。
でも、私と話しをしないことを彼は選んだ。
私の言動だけを見れば、夫がはずれくじだと感じるのは当然のことだった。
夫が母にしか連絡先を教えずに家を出たことも
再会した時、母のことしか聞かなかったのも当然のことだったのだ。
だけど、私をはずれくじにしたのは、誰?