毒母育ちの私が家族のしがらみを棄てたあと

母に結婚生活を奪われても、文句ひとつ言わず母の面倒を見ることが自分に課せられた生まれてきた意味、と信じ人生すべてあきらめて生きてきました。自分の人生、自分のために生きてよかったのだと気づいてからの日々を綴っています。

元夫に濃厚なキスをする夢を見た

なぜか私は彼の家の台所にいて、食器を洗っていました。

台所にある勝手口から奥さんと一緒に彼が帰ってきました。私は目を伏せて、奥さんの顔を見ないようにします。奥さんに続いて彼が家の中に入ってきました。

奥さんは家の奥に入って行き、彼が一瞬足を止めました。

私は食器を放り出し、彼に飛びつきキスしました。奥さんの気配は既にありません。

口腔を吸う感触、舌の動き、首の傾げ方まですごくリアルでした。

それは、彼とのファーストキスの記憶がよみがえっていたのでしょうか。

 

なんでこんな夢を見たのかしら?

久しぶりにネットで彼の名前を見つけたから?

それとも職場に私の夢を体現している女性がいるから?

就職するときに結婚相手が決まっていて、2年目で結婚。就職3年目、結婚1年とちょっとで妊娠。もうすぐ産休に入る彼女を見ていると、私が失った人生を見せつけられている気がします。幸せオーラにあてられたのかしら。

 

結婚当時、キスはおろか抱きつくこともできませんでした。

仕事をする彼の部屋へ行くたびに、ペンを持ったままの彼の指に何度触れたいと思ったかしれません。

だけど、彼が全身で私に発信していると感じたメッセージは「話しかけるな、そばによるな」とでした。

 

子どもの時に祖母からずっと受け続けていたメッセージです。

私はこれを拒絶オーラと呼んでいます。

小さいときから家族に浴び続けられたので、私はそういう空気にとても敏感です。

子どもの頃から父以外の家族に対しては、話しかけられた時だけ答える、用がないと話かけない習性ができあがっていました。

 

彼のそばにいてよかった頃は、幸せ過ぎて彼にも同じ態度を取り始めていたことに全く気付いていませんでした。

彼が母や姉と一緒に過ごすことが多くなるにつれ、少しずつ彼を家族とみなした私の心は、彼に対しても母や姉と同じように一挙手一投足を気にし、言いたいことを言えなくなっていったのでした。

 

結婚式から3か月、毎日夫に話しかけました。返事が返ってきたのはほんの数回。一言二言、言葉をかわせただけ。ゆっくり話をしたことはありません。二人で過ごしたこともありません。

私がそばにいると不快なのだ、存在を否定されているのだと感じ、心が折れてしまうには十分な時間でした。

なぜ、私と話をしようとしなかったのか、私に触れようとしなかったのか、今も私にはわかりません。

彼はなぜ私を妻として扱わなかったのか。永遠の謎です。